【文庫】週間ランキング2009年02月16日 付集計分
2009 年 2 月 13 日 金曜日
灼眼のシャナ〈18〉 (電撃文庫) / 高橋 弥七郎 / アスキーメディアワークス推定累積売上部数【44229部
先週順位
–位】の口コミ
いよいよ長く続いた灼眼のシャナも終わりに進み始めました。著者によると(名言はしてないが)おそらく20巻、外伝があと1巻で終わりと思われます。なので、今回の事件の後にまだ続く、と思ってる方は残念ながら違うかと…もう起承転結の結の部分です。今までの伏線を回収しながら、まだまだ今まで以上に熱くなってるこの作品。確かに今回は新キャラが多く登場して戸惑いましたが、各キャラの個性が強く逆に嬉しくさえ思えました。世界規模の同時進行での戦争なのですから、今までの登場人物だけでは話が進む筈がありません。大体この作品は巻が進むにつれ新キャラが出てきたはずです。それが苦手な方はもう読まないほうがいいです、楽しめません。僕は本当にワクワクしながら読めました。ページをめくる手が止まらず、展開には感動さえ覚える始末。やっぱり著者、高橋弥七郎さんは凄いなぁ、とシャナは面白いなぁ、と改めて実感できる18巻でした。【へーこー】
シャナと悠二の出会いから始まったこの物語も、ついにクライマックスに突入です。 “徒”対フレイムヘイズ兵団の戦いが主となっているため、趣向が合わないとつまらないと感じるかもしれません。 シャナと悠二関連では、ほとんどストーリーは進んでいません。 しかし、フレイムヘイズ兵団の戦いは、開始から逆転までがしっかりと描かれています。しかし、あくまで主軸はシャナと悠二だということを主張しています。 前巻が嵐の前なら、今巻は嵐がさしかかった所でしょうか。 次巻から最終決戦も盛り上がっていくことでしょう。【サンクロケット】
正直主要キャラ以外の戦闘描写が多すぎです多分もう出てこないだろうキャラが増えすぎて結構疲れました(多分読み飛ばしても何の問題もなさそうですw)アニメ3期があるなら無駄を無くしてもっとシャナが出てくるのが見たいです。色々言いましたが表紙のシャナが可愛くてそれだけで幸せな僕と同じ思いの人なら問題ないかもしれませんw【eng mk2】
[仮装舞踏会]の軍勢と、[フレイムヘイズ兵団]による戦争突入の巻ですまた、それと同時に[奪還作戦]は着々と進行し、
狼と香辛料〈10〉 (電撃文庫) / 支倉 凍砂 / アスキーメディアワークス推定累積売上部数【39000部】の口コミ
待っていた10巻。ウィンフィール王国の黄金の羊の話。ホロとロレンスは出会った頃と比べるもなくお互いに成長しているのだなと思った話だった。それにしてもこのシリーズは読めば読むほど味が出てくるし、1巻から何度も読み返すにふさわしい構成をしていると思う。ああ、ここでアレがこう来るかと本巻で少なくとも三度思った。そしてまた何度も読み返しては次巻が読みたくなってしまう。それこそ塩水を飲むが如く。【ぼうぼう】
ケルーベでのイッカク騒動後狼の骨を求めてウィンフィールへ向かうロレンス一行。そこで知らされる教会と巨大な商業同盟、そして国王の対立。その中にあって、教会が持つという狼の骨をどうやって手に入れるか。それが今巻の事件です。某探偵漫画並に行くところ事件が舞い込むようです。でもロレンスはそれが楽しい様子。だって、そういう生活なら決して“飽きることはない”から。さて、もう一方の主ですが、これはもう“故郷”でしょう。ウィンフィールでホロが出会う二人。故郷を創る者、そして故郷を守る者。彼らに接し、故郷を求める者たるホロは何を感じ何を思うのか。それは読まないと(読んでも?!)わかりません。ロレンスとホロの“じゃれあい”も健在で嬉しいばかり。読み始めると、次は?次は?と子供が物語をせがむように手が頁を捲っていきます。最後の最後にちょっとした(あるいはどでかい)スパイスもあり続きが気になってなりません。【むだい】
ジェネラル・ルージュの凱旋(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫) / 海堂尊 / 宝島社推定累積売上部数【189961部】の口コミ
『ナイチンゲールの沈黙』と同時期に起こった、もう1つの話。そんなコンセプトはわりと好きで、特に『ナイチンゲール〜』を読んだ私は興味深く読んでいました。話自体は、匿名の告発文書の存在など、謎の部分もありますが、ミステリーと呼ぶほどではなく、どちらかといえば「医療エンターティメント」と呼べるかと思います。今回のテーマは「緊急救命治療」。『ナイチンゲール〜』で初っ端に登場し、それほど掘り下げずに終わってしまった印象がありましたが、なるほど、ここでかなり掘り下げて問題をとりあげています。しかしこの物語、まるで映像をそのまま文章化したような印象があります。「リアルな描写は読むだけで頭にはっきりと映像が浮かぶ」というのは『チームバチスタ〜』の医療シーンで思ったことですが、ここではそういう意味ではありません。小説を映像化するにあたっては、時間の問題もあり、かなりそぎ落とした上、観客を映像に引き込むためにドラマチックな「脚色」を施すため、「小説より深みがない」「小説とは別物で面白い」などという意見もでるものですが、この本の場合、小説の時点で映像化の際に施される「脚色」が感じられ、映像化の際と同様にドラマチックさを演出しようとする意図が所々に感じられ、逆にしらけました(特に速水部長の言動にそれを感じました)。小説に引き込まれる要素となるのは、小説ならではの描写力、話運びの上手さであり、映像化する際の「脚色」ではありません。ただ、ラスト近くでの、緊急治療の部分は、かなりの臨場感。ここだけは「脚色」うんぬんは別として、リアルな描写力を感じ、唯一、引き込まれました。【buono_buono】
前作「ナイチンゲールの沈黙」があまりにもヒドかったので、もう読むのはやめようと決意していた田口&白鳥コンビの医療ミステリー・シリーズ。2作目ほど評価が低くなかったので<泣きの1冊>でつい書店に平積されていた本書を買ってしまった自分がバカだった。伏線をはればいいってもんでもないが、ほとんど伏線らしい伏線が読んでいてみあたらないミステリーというのも珍しい。特に、上/下巻に分かれている本著の上巻は、大筋をあらかじめ把握していればわざわざ読む必要を感じないほど内容が希薄で、単なる行数稼ぎとしか思えない冗長な文章がつづられているだけ。東城大学救命救急医療センター長・速水の収賄事件をめぐって、エシックス(倫理)委員会及び田口主催のリスクマネジメント委員会で繰り広げられる討論が本作品の読みどころとなっている。田口や速水をねたましく思うエシックス委員長・沼田の“倫理”を楯にした陰湿な言葉攻めに対し、切れ味鋭いアクティブ・フェーズで応戦する“ジェネラル・ルージュ”速水の切り返しはそれなりに楽しめたが、肝心の田口や白鳥の存在感が薄まったと感じる読者も多かったことだろう。登場人物に“おさまりの悪い変なあだ名”をつけたがるこの作家の癖も、1作目の<ロジカル・モンスター>や<火喰い鳥>までは許せたが、3作目ともなるとそろそろ読者の神経に障ってくる。本筋においては関係のない、医師でもある作家のライフワーク=AI(オートプシー・イメージング)と呼ばれる死亡時画像病理診断に関するエピソードも長々と挿入されており、ミステリーというよりはむしろ医療ビジネス啓蒙書に近い内容だ。1作目の出来があまりにも素晴らしかったので、その後に書いた小説の影がすっかり薄くなってしまった海堂尊。“文壇のナイト・シャマラン”に今後の奮起を期待したい。(もう読む気はしないけどね)【かなり悪いオヤジ】
田口・白鳥コンビの第三作目ということだが、残念ながら、白鳥の痛快さが(イライラ感)がまるで目立たない。▲チームバチスタの時に見せた白鳥のマイナスオーラが、今回はほんのチョイ役として彩りを与えている程度となっており、白鳥ファンとしては残念至極である。▲もちろん、一気に読ませるスピード感は健在で、作者の力量は大きく買うが、次回こそ、白鳥に準主役としての大立ち回りを与えて欲しいと切望する次第である。【tabisan】
率直な感想は、「ジェネラルルージュの凱旋」「螺鈿迷宮」「ナイチンゲールの沈黙」の3作が「チームバチスタの栄光」に束になってかかっても敵わない感じでしょうか? いたって普通に読める医療ミステリーです。今回は緊急救命医療がテーマとなっている。「螺鈿〜」と「ナイチンゲール〜」のキャラクター達が登場するので、それぞれ読んでみると、桜宮ワールドが立体的に広がるかも? 話の位置づけとしては「ナイチンゲール〜」の裏面なのですが、巻末付録として桜宮の年表が用意されており、三つの物語の繋がりが確認できる。 もう少し、田口と白鳥のコンビが活躍して欲しいと願う。【たかじん】
読む、べき!海堂尊の才能が爆発してる。今回は社会派サスペンス。といってもいいんじゃないかと思います。病院内部の確執や政治関係といった複雑かつ面倒くさい背景を元に一通の内部告発文書が物語をつむぎだす。内容はここに書きたくないのでとにかく買って読んでみて。知り合いだったら貸してあげたい。今までの作品(バチスタ除く)にあった、無理やり殺人事件でミステリーを作ってる感がさっぱり消えて映画を見ているかのような超ど級の緊張感とエンターテイメント性を備えてます。ちなみに映画といっても邦画的ではありません。完全にアカデミーハリウッド級!舌戦です。俺はアルパチーノの「セントオブウーマン」と「インサイダー」を彷彿とさせられました。まぁ作風とか全然違いますけど…映画化されるらしいけどこけるな…原作以上にできるはずがない。断言できる。すばらしい作品です。マジで貸してあげたい。【有るぱチィーの?】
ジェネラル・ルージュの凱旋(下) [宝島社文庫] (宝島社文庫) / 海堂尊 / 宝島社推定累積売上部数【178067部】の口コミ
この小説を読み、「氷姫」こと姫宮のキャラクターに興味を持った方は、『螺鈿迷宮』もぜひ読んでみてください。私自身、海堂氏の小説は文庫でしか読んでなく、でた順番に『螺鈿迷宮』→『ジェネラル・ルージュの凱旋』と読みましたが、時系列としては、『ジェネラル・ルージュ〜』→『螺鈿迷宮』となっており、『ジェネラル・ルージュ〜』で姫宮がなぜ病棟研修を行ったのかが、『螺鈿迷宮』を読めばわかります。個人的には、現時点では『螺鈿迷宮』が一番完成度が高いと思います。こちらは、全体として「読者を引き込もう」という意図がミエミエの、不要な「脚色」を感じるところが多々ありました。小説にのめりこむ要素は、小説ならではの話運びの上手さ、描写力の高さであると思っており、それを感じたのはラストの緊急治療の部分だけだったのが残念です。【buono_buono】
救急救命センターの”血まみれ将軍”速水部長にスポットを当て、救急医療の抱える問題点を追求してゆくという内容。この男、まさに「将軍」ばりに男気が溢れ、我がままで強引で、ハラハラするが、医師として、またトップに立つ者としての類まれなるその資質にグイグイ引き込まれてゆく。変人白鳥もさすがに影を潜めてしまうほどの存在感。そうやって速水部長の熱のこもった仕事ぶりを生き生きと描きながらも、物語の中核は一癖も二癖もありそうな個性的な医師たちによるディスカッション。「バチスタ」では白鳥のロジカルな推理にかなりの神経を使ったが、言葉で相手をやり込めてゆく白熱の論争を見ていると、一体海堂氏は理系なのか文系なのか分からなくなってくる。犯人探しをメインとした「バチスタ」と違い、今回はよりエンターテイメント性の色が強い。「誰が?」というよりも、「なぜ?」「どうして?」のほうに思考力を使ったが、物語としての完成度も非常に高いと思う。ちなみに第二弾「ナイチンゲールの沈黙」は読んでいないが、特に問題はなかったように感じる。【kinakohime】
前巻にも書きましたが、前作の『ナイチンゲールの沈黙』を先に読んでおいたほうが楽しめます。【Enough is a feast】
本書の解説によれば、もともと、前作の『ナイチンゲールの沈黙』と本書とは一冊の長編として構想されていたのが、書いているうちに長くなりすぎたため、編集者のアドバイスを入れて二作品に分割されたとのことです。後に出版された本書では、そのような事情に伴うしわ寄せがきているようで、本書を読んだだけでは、よくわからなかったり違和感がある部分が散見されます。従って、本書の内容をよりよく理解するためには、前作『ナイチンゲール〜』を読んでおいた方がよいということになりますが、個人的には、前作はいまいちだったので、そのためだけに前作を読むことはお奨めしません。本作自体も、前半はいまいち乗れず、後半になってようやく物語に引き込まれたといった感じでした。どうせなら、『ナイチンゲール』に注いだ労力を本作に注いでれば、もっと面白い作品にできたのではないかと惜しい気がしています。【積読亭】
バチスタ同様、とても面白い作品です。個人的にはこちらのほうが好きです。とっても存在感がある白鳥がそれほど出てこなくても、速水がとってもかっこよく活躍するので十二分に楽しめます。次々に展開される一連のシリーズ。どんどん次が読みたくなります。【カラッと爽快】
ヤーンの選択—グイン・サーガ〈125〉 (ハヤカワ文庫JA) / 栗本 薫 / 早川書房推定累積売上部数【28053部】の口コミ
前巻の最後で、あわや絶体絶命のピンチをスカールによって救われたヨナ。「これってもしかして、スカール・ヨナのコンビでヤガ冒険行になだれこむってこと?」と密かにワクワクして125巻を待ってたら、案の定の展開でニンマリ。お互いに過去の出来事を腹蔵なく語り合う中で、最初はヨナのことを「お前」と呼んでいたスカールが、気がついたら「ヨナ博士」と呼ぶようになっていって、ヤガへの道中で二人の間に厚い信頼関係が築かれていく様は物語のお約束ながらほほえましく感じました。 それにしてもヨナってば、これからメキメキと頭角を現してメインキャラに座りそうな予感。この長大な物語の主軸をなす古代機械の謎とグインという存在の謎、ナリス亡き後の世界でその謎解きができるキャラはヨナしかいないので、否応なしに今後重要な位置を占めることは予想されますが、とはいえメインキャラとなるには余りにも学究肌。そこんところどうなの?と心配してたらどうしてどうして。スカールと行動を共にする中で乗馬も覚えてテント暮らしもまんざらでもなさそう。そのうちミロク教徒をやめる挙に出そうな伏線もあるので、今後大化けしそうな予感があります。この後のヤガ冒険行が楽しみだなぁ。ヤガでいったい何が待っているのか? ブランの動きは? リギアは合流できるのか?次巻を待て! って感じですが、そろそろキタイの動きも気になるところです。久しぶりにヤンダルやら望星教団やらが登場してくれたら嬉しい。 後ろ三分の一(第四話)はイシュトとカメロンの痴話げんか?風エピソード。グインによって負傷させられたイシュトは近巻ではすっかり真人間になりそうな勢いでしたが、傷も癒えてようやく本来の俺様イシュト復活。カメロンにはまた茨の日々が始まるのか?そこにケイロニアから急な知らせが。例によって風雲急を告げる展開で125巻は終了。【DJANGO】
前半三話はスカールとヨナのヤガへの旅、後半1話はゴーラという構成です。スカールが今までの経験を語るのに対してヨナの考察がもう少しあってもよいのではと感じました。スカールとヨナというグインサーガの中では無口なキャラクターのセリフも長くなりがちで物語の進行が遅くなっているのがもどかしいです。旅路は省略してヤガから物語をはじめてもよいのでは?4話のゴーラ編ではケイロニアにある非常事態が起きたことに触れてあります。これはケイロニア視点で語ったほうが面白かったのでは?スカールのイメージチェンジも気になります。挿絵がみたい!【ブリストー】
グイン・サーガ125巻「ヤーンの選択」です。 今回も前回に続きヨナがヤガへ向かって草原を旅しています。前巻の後半で颯爽と現れて窮地を救ってくれたスカールとともに二人がヤガへと向かう道すがら、スカールが自分の過去とノスフェラスでの出来事を語ります。そうした流れの中で、今後物語の中で大きな核となっていくであろうミロク教についても暗示的な話がなされ、話は進んで行きます。ヤガがヤガとして成立存続できる秘密は? などなど今まで気にもしていなかったことが伏線として生きてくる気配もあり、興味深いですし、「北の豹と南の鷹が出会うときには」というあたりの考察にもなるほどと思わせてくれるものがあったりしてワクワクしてしまいました。 前巻でも思いましたが、物語自体がそれほど進んでいなくても内容がしっかりとしていればかなり面白くなるし、それは出てくる登場人物というかその巻のメインキャラクター次第というのがハッキリしていて、今回のヨナ、スカールはなかなかにいい感じで物語を語ってくれているような気がします。いっときのクム・タイス編はファンからも結構文句を言われていましたが、前回・今回はなかなか良かったんじゃないでしょうか。 あと後半にとある事件が連続で起きるのですが、こちらは意外に早い展開を見せていまして、いい意味で最後のヒキは次巻を読んでみたい気持ちを強くさせてくれました。なので、今回は評価かなり高いです。直接の戦闘シーンだったりはないけれど、面白い一巻でした。【樽井】
今巻は、スカールでしたね。物語は、やっぱりというか、あいかわらずというかスローペースですすまないのだけど、グッときたのは、なんといっても「北の豹と南の鷹が。。。。」というセリフです。ファンタジーらしいワクワク感!一気に先がたのしみになってしまいました。ヤガはいわくありげなところのようだし、ケイロニアでも事件が起きつつあるようで、中原全体がどんどん変化していってるんだな!次の巻は、思い切り良く変装したスカールが表紙だったらおもしろいなー。【本屋が好き】
大いなる流れに、ある者はただ呑まれ、翻弄され、ある者は抗い、やがてそれすらもひとつとなり、とどめることは出来ない…この物語を通じての、運命の、或いは時の流れの無情は、物語と共に生きてきた時間が長いほど、強く胸をうつことでしょう。近頃多く見受けられる、手軽に手軽なファンタジーを楽しみたい、言い換えれば、「待てない」方には、お薦めいたしません。私は別な意味で、待ちきれなかったので、第四話を先に、それから始めに戻って読みなおしました。次刊が待ち通しい限りです。【さんまま】
制服捜査 (新潮文庫) / 佐々木 譲 / 新潮社推定累積売上部数【23798部】の口コミ
本書は、’06年、「このミステリーがすごい!」国内編第2位にランクインされた、連作短編集である。 ’04年と’05年の間に「小説新潮」(臨時増刊号を含む)に掲載された5編からなっている。 主人公の川久保篤(あつし)巡査部長は、札幌で盗犯係や強行犯係などを経験した一線級のベテラン刑事だったが、北海道警の組織ぐるみの不正事件のあおりを受けて、釧路の志茂別(しもべつ)町という人口6千人の田舎町に転勤させられてしまった。しかも、25年の警察官人生でまったく経験のない単身赴任の駐在所勤務である。 物語は、そんな田舎町でも起こる、さまざまな事件を通して川久保が経験する、田舎町ならではの人付き合いというか、因習である。彼は制服駐在としての捜査の限界に阻まれながらも大小の事件に遭遇してゆく。情報源は35年間この町で郵便配達をしてきて、2年前に退職した片桐だ。片桐は志茂別町のデータベースとして、時に川久保の捜査を助ける。 そうして川久保は町に溶け込んでいく。いやいかざるを得ないのだが、人間模様に精通していくに従い、あらゆる不祥事に蓋をすることで、表向きは平和な町に見せかけようとはかる町の有力者たちが放つ腐臭を感じ取るようにもなってゆく。 本書は、小さな町特有のどろどろとした濃密な人間関係によって培われた虚構を、突然そこに放り込まれた元敏腕刑事の異邦人が、駐在警官の制服捜査を通して、えぐってゆく物語である。豊かな自然と純朴な人々に囲まれた田舎暮らし、などというのは都会人の持つ幻想であることは本書を読めば一目瞭然である。 【Wakaba-Mark】
少年陰陽師 彼方のときを見はるかせ (角川ビーンズ文庫) / 結城 光流 / 角川グループパブリッシング推定累積売上部数【13999部】の口コミ
一年で終わってしまった作品だからか、どうも薄っぺらな内容だったと感じました。戦闘も最後は昌浩がぱぱっと終わらせてしまった感じが否めないです。すっぱり言ってしまえば「無理やり」感が漂っている気がしました。行けるところまで行ってみて、無理やり方向性を直した・・・みたいな。最後の昌浩と彰子のやり取りも、ページ数に合わせた感じで、かなりうすっぺらい…。どうやって中を修復するのかと期待していただけに、ちょっと物足りない感じです。辛口かもしれませんが、この作品は「孫」らしさがどことなく欠けている気がしました。【侑佳】
この章は、心の傷がテーマなのはわかるが、その傷の治し方が、アレというのは、ズルとどう違うのだろうか? 晴明や昌親とかは独りで克服しているのに昌浩だけあれでは、これズルじゃん、と思った。あと本人の記憶にはないようだが、彰子をまた傷つけたことはちゃんと自覚するように、と昌浩に言いたい。【ユリィ】
待ちに待った玉依編の完結です。彰子とはこじれっ放し。おまけにじい様が護衛している姫皇女をかっさらってきてしまってるし、天変地異は治まってないし、解決のめども全然立ってないし、どうやってこの一冊で終わらせるのかと、思ってましたが、ちゃんと収まりました。思い返してみても、玉依編は昌浩と彰子の精神的な成長が主であり、事件そのものはあっさりです。「竜が出てきた」→「やっつけた」といった感じで。紅蓮は頑張って派手に戦っていますし、雨が降り止まないとか、竜が暴れれるとか、結構大変な事態だったと思うのですが、そちらはなんだか霞んでしまったかのような気さえします。【ayuyo】
まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫) / 三浦 しをん / 文藝春秋推定累積売上部数【18733部】の口コミ
いまどきの芥川賞はどこをどう評価されているのかわからないことが多いけど直木賞はさすがに読みやすく面白い。文庫本も随分昔に比べ(?)読みやすい。多田・行天の二人が水と油のようでいて、かけがえのない存在になる過程が織り込まれたいくつかのエピソードとともに語られる。もう読めばどのあたりとわかる地理感覚のある場所がまほろなんてオブラートで包まれている違和感はずっとあったけれど。映画の脚本ようにリアリティがあって読みながら頭の中でキャストを考えてしまう。常識的な多田と非常識な行天。その折り合いで世の中うまくとはいかなくても何とか生きていける。二人の出会いは色々だけれど、うだつの上がらないその日グラシのような二人がはぐくむ情愛がなんとも後味のいい温かさ。一人ではなくて誰かと居ることが嬉しいと素直に思える。【シルエラ】
三浦しをんさんの文庫最新刊です。 箱根駅伝を描いた「風が強く吹いている」で更に爆発的に知名度をあげた彼女ですのでいまさら紹介をしなくてもいいかと思いますが、彼女は作品や内容によって文章のスタイルががらりと変わる方です。シリアスなタッチから軽妙なもの、そしてエッセイでの破壊力満点の語りのスタイルまで自由自在にタッチやスタイルがかわります。 本書は、その中ではわりあいとかっちりとしたスタイルで書いた小説になると思うのですが、基本設定と話の運びがユーモアたっぷりなので、読みやすかったです。 主人公は、多田というバツイチの便利屋と、真冬の寒い日にバスのベンチで再会したかつてのクラスメートの行天。二人は、さして親しかったわけではなく、むしろとある因縁があって卒業してから一度も会ったことがなかったのですが、再会したその日からずるずるとコンビを組むことになります。やむなく、仕方なくコンビを組んだ多田は行天の変貌ぶりに首をひねります。学生のときは無口で学校では一言も話さないものの勉強もスポーツもできるデキスギくんだった行天は、大きくなったら、何故だかだらだらとしていて、住む家もなく着のみ着のままで、真冬なのにサンダルしかはいていないような変な大人になっていたからです。多田は、そんな彼にイラっときたり呆れたり嘆いたりしながらも一緒に事務所兼自宅で共同生活を営みます。 そんな彼らがいくつかの事件を解決していくうちに、二人の抱えた過去や想いが明かされていく連作短編集という体裁の本書。コンビ探偵もの特有のかけあいの面白さや、一つの事件をめぐる考え方の違いや、絶妙のコンビプレーなどもしっかり楽しませてくれますし、連作全体を通じて二人がじょじょに気持ちの交流を深めていく過程等もしっかりと描かれていて楽しめます。 三浦しをんさんの著書で、男性二人の共同生活、と紹介すると違うものを想像(ひらたくいえばBL)するかも知れませんが、そういう要素はないですので、そちらを毛嫌いする人も安心して読んでいただけます。 本当に面白かったです。 この作品、うまく映像化できたらいい映画原作になるんじゃないかなと思います。【樽井】
余命 (新潮文庫) / 谷村 志穂 / 新潮社推定累積売上部数【28004部】の口コミ
はっきり言って、「子を産む」ということを神格化しすぎてやってはいけないこと、ワガママを押し通した主人公の姿は感動ではなく、まさに現代社会の子宝社会を皮肉っているのだろうかと思う。子を産みたい、そのために精一杯頑張りたい、その思いは素晴らしい。しかしだからといって、他者への迷惑をゴリ押ししてよいものか。病死ネタは感動的で万人受けする。だからといってこのような愚作に感動という文字を使うのは盲目過ぎる。医療職として最低だとこの主人公に対しては思います。もっと正面から主人公が自分の命に取り組んでいれば、良い作品になったかも知れません。【ぴよこっこ】
主人公は百田滴、女医です。 彼女は、研修医の時代に乳ガンにかかっており、その後十数年に渡って再発はありませんでした。 一方、結婚生活10年にして、ようやく子供を授かります。ところが、時を同じくして、かつての手術後にしこりが。ここで、彼女は大きな選択を迫られます。 胎児が彼女の中で育つと言うことは、ガン細胞も活発化するということです。 彼女の選択は、誰にも話さず「生命」を繋ぐことでした。 この後の壮絶な彼女の戦いは感動的です。 乳ガンの進行と胎児の成長の同時進行から、夫も遠ざけての一人孤独な戦いを続ける一人の女性。そして、そこから生まれる一つの生命。 他の選択肢もあったかも知れませんが、百田滴の行動に感動します。 ちょっと気になったのが、冒頭と結末の部分だけ視点が違うことで、何となく違和感を感じました。【ringmoo】
子供を思う気持ち、パートナーへの愛情等の母としての強さ、女性の強さ(弱さもだけど)が良く表現されていたと思う。そう言った面では、十分に感動的だったと言える。しかし、医師としての滴の選択は理解しがたい物がある。というより、やってはいけないことではないか。なので、厳しめの3点にします。【あきぴー@武蔵国】
ラストイニング 20 (20) (ビッグコミックス) / 神尾 龍 / 小学館推定累積売上部数【40696部】の口コミ
なんだかんだで、ピッチャーがいなければ、野球ははじまりません。勝たせたいピッチャーと勝たせるピッチャーの違いはどこにあるのか?甲子園出場を目指す彩学野球部のキャッチャー八潮は、この問いに答えを出せない。一方、この巻の終盤には、高校野球をくいものにするVS甘い汁を吸うという問題提起もなされる。野球というゲームの仕組みに対する問いかけと高校野球に僕たちが求める純粋さ。この二つがラストイニングの面白さにつながっている。【猫だるま】
江原啓之から、あなたに贈る手紙 (王様文庫) / 江原 啓之 / 三笠書房推定累積売上部数【14818部】の口コミ
文庫本で読みやすい反面、ちょっと内容的には元足りませんでした。別にこの本を読まなくても、著者が書いた別のもっと売れている定番本で同じようなことが書かれていますので....自分はちょっと体を壊していますので、特に知りたかった部分で、病気には3種類あるとして、過労や不節制の「肉体の病」、思いぐせが引き起こす「思いぐせの病」、人生のカリキュラムを知らせる「宿命の病」と書いてあったが、実際触れられているのは「思いぐせの病」のみでした。ちょっと内容的に物足りませんでした。(文庫本なので書けるスペースが少なすぎたんだと思います)他にも人間関係、恋愛、結婚、育児、仕事等の悩みを抱えている人向けに、江原さんが手紙を書くという感じで進んでいきます。ですからテーマに合った悩みを抱えている人向きですね。【ももあき】
江原さんの本はほとんど拝見させていただいていますが、今回の本の内容は、江原さんが読者に友人のように語りかけてくるような内容になっています。内容としては、今までの復習という感じでしょうか。生きていて、小さな悩みにぶつかり、ふと江原さんからメッセージが欲しくなった、そんなときにあればいい本だと思います。それほど深い内容ではないです。江原さんが、今までの三笠書房から出版されている本の総集編というところでしょうか。【ボーン】
この御時世だからこそ「手紙」という切り口には、意義があるんだと思います。ただ、必至に売り方を模索している感もあり、う〜ん…。内容は親友である江原君からの愛情溢れる手紙といったとこでしょうか。ここまで親身になってくれるのかと、なんだかこっ恥ずかしくなる文面です。特に新鮮味は感じませんが、ふと悩んだ時にパラパラとめくって答えが見つかるのかも知れません。そういう意味では実用的、かも?。【DJ TOSHi】
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫) / 森見 登美彦 / 角川グループパブリッシング推定累積売上部数【62494部
先週順位
–位】の口コミ
ファンタジーです。表紙とタイトルの可愛らしさに惹かれて手に取り、読んでみればまあ内容も可愛らしいこと。他の方のレビューでも書かれている通り、文体がとても特徴的です。前時代的といいますか、明治、大正あたりの語り口調ですので慣れるまでは時代設定に「??」となっておりました。携帯やメールがアイテムとして登場してくることから現代であることが窺えますが、もはや時代なんていつでもどうでもよくなってくるから森見氏は恐ろしい。登場人物の言い回しには終始にこにこ、時に爆笑させられます。が、表現がサムいと思うか愉快と思うかは評価の分かれるところかもしれません。(もちろん私は後者ですが)どこか飄々として、ただ流れるように生きる登場人物たち(とりわけ黒髪の乙女と樋口くん)がとても魅力的です。基本的に本は一度しか読まない私ですが、この本はこちらがどんな精神状態でも受け入れてくれるので重宝しております。【NICO】
06年10月の単行本を文庫化した作品で,第20回山本周五郎賞の受賞作でもあります.全四章の章仕立てになってはいますが,それぞれが一話完結の連作短編となっており,男子大学生の『私』が春に『乙女』にひと目ぼれ,夏秋を経て結末となる四章の冬まで,ラブコメのようでありながら,『和』と非現実の空気が入り混じる少し不思議な物語です.(コミカライズもされているので,イメージがつかみづらいならそちらでの補完もおすすめ)『私』の屈折した,そしてちょっと仰々しい物言いはいささかクセのあるところですが,なんでも生真面目に,それでいてどこかとぼけた感もある『乙女』の様子はかわいらしく,同じような表現,言いまわしが繰り返されることで,世界観や物語が強く印象づけられます.また四章までの春夏秋冬,季節感あふれる描写は舞台の京都の町とも相まってとても美しく,なんとも言えない素朴で甘酸っぱい結末には思わずにんまりと,そしてホッとしてしまいます.巻末には,漫画家の羽海野チカさんによる『かいせつにかえて』(感想イラスト)があります.【ポロロッカ】
この文体に馴染めるかがポイントです。ウッと来る人も我慢して読み進めると、はまります。私もそうでした。分岐点は50ページくらいかな。【amamiya】
なんとも不思議な事がめまぐるしくて、最初は読みにくかったけど、読んでいくうちにどっぷり世界にはまってしまいました☆キュートな乙女とは古今東西よいものです。。。【tama】
言葉の引き出しが多い森見さん。素晴らしいと絶賛出来るほどのユニークな文才がいかんなく著された作品です。ただ一言だけ述べても伝わらないでしょうが………おもしろい!目で辿って読む進めていくうちに思わずくすり、と笑みが漏れてしまいます。なんといってもヒロインが可愛いのです。ヘタレな男と天然チックなヒロインを取り巻く愉快な面々にも注目。実に後味の良い作品であります!「走れメロス」もオススメ。笑いが止まらない。【いち】
ガール (講談社文庫) / 奥田 英朗 / 講談社推定累積売上部数【19833部】の口コミ
ここに描かれている女性心理というものが、男の視点から書かれたものに過ぎないのか、それともこれが「30代。OL。」の姿なのか、はっきり言って私にはわかりません。それでも、深く頷いてしまうのです。「あぁ、こういうことってあるかもなぁ。」って。 短編集と言うこともあり、読みやすいです。最後は、みんな前向きに自分を確立しているのがとても良い後味を残しています。 読み終わった時には、少しだけ元気になっています、きっと・・・。【すーさん】
30台の働く女性を主人公にした5つの短編集。奥田さんは男性なのに、どうしてこんなにも女性のことが分かるのか?と思わず唸ってしまうほど、様々な場面においての女心の複雑な機微を決して深刻にではなく、さらりと書いてのけている。登場する女性たちは皆明るくて、前向きで、カッコよく、それでいて嫌味がない。女性作家が書くとこうはならないよなぁ、とつくづく思う。専業主婦だったり、独身のキャリアウーマンだったり、シングルマザーだったり、女性の生き方は様々だが、それぞれに良さがあり、そして不便さがある。どんな道を選んでも結局ブルーで、他人がうらやましくて、あの時ああすれば・・・と、どうにもならないことを悔やんでる。年齢とともに「しあわせ」の形は変化してゆくものだろうが、いつの時でも自分の生き方には胸を張っていたい。そういう気持ちにさせてくれる爽やかな1冊。【kinakohime】
それは、「笑える」という意味ではなく「興味深い」という意味で。そして、それ以上に怖くて、恐ろしくて。まるで、盗み見されているかと思うくらいに隣にある日常がそのまま描かれていて、読み進めるうちに思い当たる節が多すぎて。自分より年上の部下をもつ、30代で管理職についた女マンションを購入するか否かで揺れる女いつまでも「ガール」な女38歳の近くにいる女32歳20代の頃、「30歳だなんておじさん!」と思っていた30代の女シングルマザーと営業職を両立する女と同い年の独身女ひとまわり年下に恋した女「あぁこれはあの人だ!」「わーそっくり!」それの対象が他者であるのは時間の問題で、いつの間にか自分自身にリンクする可能性が無限に含まれている。読む人によって感情移入するポイントは違うであろうし、同じ人でもタイミングによってひっかかるポイントが違ってくると思われた。今まで読んだ本には無い、リアルさがここにある。日常生活にうんざりして、現実逃避したいときには、全く不向きだけれどほんの少し自分の未来を見据えたくなった時にはタイムマシーン的役割に化けてくれる1冊。女であること、年をとること、働くことの楽しさと怖さと自由さと、今を見据えないと浦島太郎になちゃうんだよってことを知らしめられた。これを読んでからの今の自分は、ちょっと性格が悪くなった気がする。寝る間も惜しんで続きを読みたくなる★★★★★リアリティ★★★★★キャラクターの個性★☆☆☆☆泣ける!☆☆☆☆☆ストーリー展開の意外性★☆☆☆☆文体・表現の読みやすさ★★★★★感情移入★★★★☆【もりお】
この手の小説を書かせると今一番うまいのは、奥田英朗に違いない。とにかく安心して読めるし、何しろはずれがないから。このガールも、男の視点で読んだけれど、思わずうまいなぁと思うところがある。女性は本当に主人公達に共感できるみたいで、年下の部下にいじめられるところでは思わず泣いちゃいましたとこの本を貸してあげた同僚の女性が感想を述べていた。奥田作品はどんどん文庫化してほしい。図書館で借りるという手もあるが、読み捨てるのではなく、出来うる限り所有していたいので。【I’ll go to a place in the sun】
どんな年齢のどんな立場の人物をも、おそろしいほどのリアリティで描き出す奥田英朗、本領発揮の一冊。「生涯一ガール」〜三十代の働く女性を描く五篇が収められている。帯コピーによれば、「すべての女性に『これって、私のこと!』と言わしめた爽快ベストセラー」だそうだ。確かによく書けている。だが帯コピーには敢えて反論してみたい。すでにガールをリタイア、かつ働いていない30代にとってはいささか苦い作品だったと(働いていない=ガールをリタイア、という意味ではない。誤解なきように)。なぜって、本書に出てくるガールたちが眩しすぎるのだ。職場でのトラブルや年齢ゆえの悩みに心を痛めながらも健気で前向きで、柔軟性があって、これだけは譲れないという信念があって、揺れながらも最後には腹を括れる強さがあって。読むにつれ疎外感が膨らみ、うらさびしい思いがしてきてしまったのである。「人生の半分はブルーだよ。既婚でも、独身でも、子供がいてもいなくても」(名言だ)には少し救われたけど・・・ところで素朴な疑問。読者の皆さんはガールたちに感情移入できたのだろうか。勤務先はいずれも大手企業、厳しさはあるがどこか牧歌的な雰囲気の職場。ガールたちは仕事ができたり、美人だったり(少し前までは、そのおかげでずっと「おいしい」思いをしてきたのだそうだ)と恵まれている・・・とどのつまり、こうした設定に違和感を持たない人が読者だったということか。ターゲットと読者のマッチングがうまくいったのだろう。そう、自分も単行本刊行時は、「わたしには縁遠い本」と察して避けたのだった(今回は文庫の気安さで読んでみた次第)。・・・なんて書いていると自分の狭量さとひがみっぽさを披露しているようで情けないが、働くガールに畏怖の念を抱く主婦の現実見本と思って、笑って許していただけるとありがたい。【シロフォン】
アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫) / 川原 礫 / アスキーメディアワークス推定累積売上部数【14776部】の口コミ
リアルとオンラインゲームが交錯し、並行したような今までになかった世界観。最初は設定云々で掴みにくい部分もありますが後半以降は話にグイグイ引き込まれていきます。それぞれのキャラクターが生きていて、物語の芯がしっかりしているように感じました。百聞は一見にしかず。信用出来る内容、絶対オススメの作品です。【ぶど子】
15年前に登場した、ニューロリンカーと呼ばれる脳と量子無線接続する携帯端末により、リアル世界での生活をバーチャル・ネットワークでサポートできるようになった。学校という空間はあり、そこに中学生が集まることも変わりないのだけれど、授業内容は目や耳を介すのではなく直接脳内で映像化され、理科の実験も家庭科の実習もバーチャルで行われる。 そんな世界で生きる中学生の一人である有田春雪は、太ったいじめられっ子。昼休みも一人トイレの個室で学内LANに接続し、生徒の誰も興味を持たないゲームで時間を潰していた。そんなある日、誰も抜かせるはずがないと思っていた自分のハイスコアを、軽く抜かしてしまった生徒がいることに気づく。それは副生徒会長であり、黒雪姫と称される校内一の美少女だった。 彼女は、ハルユキにブレイン・バーストというアプリケーションを送信してくる。そのアプリは現実を壊してくれる、という黒雪姫の誘惑に乗った彼は、これまで知らなかった世界を知る。加速世界と呼ばれるそれは、一定時間だけ思考速度が千倍になる世界だった。そして、ハルユキと黒雪姫の戦いが始まった。 読み始めてすぐ、紹介される世界観がとても作り込まれていることに気づいた。ニューロリンカーの使用上で問題となる様なポイントにもちゃんと対策が取られている。個人的に気に入っているのは、この加速世界が人為によるものだということ。人為により作られたものは人の手で変えられるはずなので、知恵と勇気で必ずどうにかできるはず、という希望がある。 まだまだ物語の先は長そうなので、今後の展開が非常に楽しみです。 【くまくま】
Web小説界で絶大な人気を誇っていたSword Art Onlineで有名な九里史生が、ついに商業に進出。前々から商業でも通用するレベルとの定評があっただけに、驚きよりは「ついにか」といったところ。その期待感のまま購入。それが裏切られる事なく、読了。流石の実力だと思いました。【ハタオリ】
イラストレーターはHIMAさんです。甲殻機動隊っぽいセカイ、すべての事が、脳と量子無限接続して、要は脳がパソコン代わり、電子上でなんでもできる社会です。いじめられっ子のこぶとりの主人公は、鬱屈した日々をすごしていた。ある日、接点がない 美人で才女の黒雪姫が、あるゲームに突然誘ってきた。現実で使える、思考が加速する、時を止めると感じるほど、体感時間をゆっくりと進める事ができる、超能力じみた力を与える謎のゲーム。ただ力は、回数制限があり、その回数をかけて擬似現実世界の中、格闘ゲームで決めるというルールが。ゲームは、回数が0になると、ゲームができなくなるリセット不可というリスク ネットゲームとして成立できるほど、細かい設定があり、ステージごとのルールやゲーム参加者ごとに性格を反映した化身で戦い、色で遠近中タイプに分かれて。チキっと練りこまれた世界観が面白いです。ダメ主人公が、ゲームと出会い、大きく成長する王道ながら燃えるストーリー。常時無制限だから、ゲームと現実がリンクしています、世界観がちゃんとしているから、重厚かつ臨場感がある、次巻に期待が持てる一冊です。【えっ!?】
ネットゲームだと言うので最近のオンラインゲームみたいなモノを想像していたのですが良い意味で裏切られました。まさか、格闘ゲームによるバトルロワイヤル展開(戦闘時は一対一ですが)だとは思いませんでした。主人公が劣等感剥き出しにしてますが余り暗くなりすぎないのがプラスです。後半、黒雪姫を護って謎の襲撃者と戦うのですがここが良い意味で王道展開です。王道なのですが、それを最後まで読ませるのがこの筆者の筆力なのでしょう。買って良かった。別のシリーズも出るそうですが買いたくなりました。楽しみです。【どらっへ】
ストロベリーナイト (光文社文庫 ほ 4-1) / 誉田 哲也 / 光文社推定累積売上部数【51266部】の口コミ
探偵小説の成り立ちにくい、日本の事情では、事件モノ、謎解きモノ、は警察小説になる。だから警察官を主人公にとった小説は、非常に謎解きに重きを置いた古くは松本清張、ヒーロー的な警察官を置いた大沢在昌の鮫シリーズ、組織としての警察を様々な角度から描く今野敏の一連の作品といった案配で様々にある。本作品は、女性警察官を主人公にし、今風のインターネット社会の怖さを加味した点で、ユニークなモノと言える。多少ステレオタイプ的な印象もあるが、周囲の警察官に昔気質な者からキャリア官僚など配し、今後この女性警察官がどう成長していくのか、どう周囲の様々な壁をはねのけていくのか、想定されるシリーズとして期待したい。ただし、正直なことを言うと、自分の好みとしては、このグロ、ホラー的な描写は(現実社会は確かに相当のグロテスクなことがあるとはいえ)余り好きではない。桐野夏生にも相当なグロテスク(そのままの題名の作品もありますけどね)なものがあるので、意外なことにそれほど不愉快ではなかったが、本作での描写は人の醜い心理との兼ね合いのせいか、余り気味のいいものではなく、好きではなかった。その点、ちょっと薦めるには躊躇のあるものです。少なくとも、布団の中で読んではいけない、と思いますね。【aquatio】
このところ難しい経済小説とかロシア文学などをゆっくりしたペースでじっくりと読んでいたので、久しぶりにリラックスして本を読みたいなーと思って本書を手にとってみた。はっきりいってテレビドラマなみのわかりやすい登場人物達はまじめでストイックなミステリーを好む読者には受け入れられないでしょう。特に男目線の可愛い女の子を地でいく主人公・姫川はマンガ的。その周りの刑事たちや犯人、それに憎まれ役の刑事などもかなりステレオタイプ。ストーリーもインターネットが重要な鍵にはなるが特に目新しさはない。こうやって書くとなんで星4つつけたんだと突っ込まれそうですが、おもしろっかったからとしか言いようがない。この手の本ばかりではどうかと思うが、世の中には色々な本があっていいと思う。あとがきによると筆者はこの小説がドラマ化された時の配役を考えながら書いてるとかw芸術性とか知識欲とか、それはそれで他の小説で満たせばいい。最近なんだか難しい読書に傾倒していた自分には久しぶりに素直に「ああ、おもしろかった」と言える小説だった。【reedin01】
スピーディーな展開で今までにない警察小説!!との店内Popを見て購入しました。実際に読んでみると面白い!と感じました。事件が次々と明らかになっていくスピード感は程よい気持ちよさを与えてくれます。ただ犯人への伏線が簡単だったように感じます。どうやらシリーズ化している様なので、次の作品に更なる期待をしたいと思います。早期の文庫化を望みます!【最高の時間を手にしたい】
確かに殺人シーンの気持ち悪さは私自身、今まで読んだ中で一番でした。他にも残忍なシーンが登場する小説を読んだことはありますが、映画でいう「R指定」を、本にもつけたほうがいいのではと感じたのは、この本が初めてでした。また、キャラクターにあまり魅力を感じませんでした。特に前半は、勝俣への嫌悪感満載で、読み進めるのが非常に苦痛でした。ただ、勝俣は人間としては最低でも、刑事としては少なくとも姫川より上であることは明白(それがまた、腹立つのですが)。プロセスを飛ばして勘だけで結果に飛ぼうとする姫川には、刑事としての腕は全く感じません。単に「勘のいいお嬢さん」という程度。そのような人物がノンキャリアで警部補になっていることも、フィクションとはいえあまりにも現実離れしすぎ。また、姫川には感情に流される部分が多すぎ。捜査をするにあたり、ある殺人事件が起こった時、あまりにも悲しみをあとに引きずり過ぎです。人間ですから感情に流される部分もあるのは当然ですが、仕事に影響を及ぼすのはプロ失格。また、姫川班の他の刑事達も、終盤で井岡が、思いもよらず冴えた動きをしますが、それでもキャラクターとしてはあまりにおちゃらけ過ぎて好きになれず、他の刑事達のキャラクター設定も、まるで安っぽい刑事ドラマの台本のようでした。主役級の人物に魅力がないので、余計に脇を固めるキャラクターのアラも気になるのでしょうね。キャラクター設定に星1つ、ストーリー展開に星3つ、総合で星2つといったところです。【buono_buono】
重厚感,本格感はまったくありません.本格サスペンス,ミステリーを期待すると思い切り肩透かしを喰らいます.映像的というか,漫画的(ストーリー展開も含めて).でも,だからこそキャラクターが活きるんでしょうね.この作者の作品は初読でしたが,姫川シリーズはもちろん他の作品も手にしたくなりました.【ぐら】
感染列島—映画ノベライズ版 (小学館文庫) / 涌井 学 / 小学館推定累積売上部数【48723部】の口コミ
感染爆発…ワクチンが足りなくて、もし最後の1本なら……今なら、僕は誰に差し出すだろう? 大切な人は誰ですか?って聞かれたら、それは…。今なら、あなたに真剣に伝えたい。 「叶わない恋」なら、 せめて自分の命を差し出す(渡す)事で、何かが…自分の揺るがない気持ちが相手に…少しは伝わるのかなって思えた。 …なぁんて書くと、&名前を書くと迷惑だから「心の中」で止めておきまぁす(笑)別に、恋人になる事が愛を伝える=答えじゃないと心から思えた。政府の対応、空気感染の恐怖…笑えない現実がある。 実際問題、進化した鳥インフルエンザウイルス(豚に感染した後に変化して…人へ)が蔓延すれば…国内では優先順位が決められ、ワクチンは足りない。パンデミック/感染爆発は止まらない。 あなたに、「好き」とか「愛してる」なんて言葉にするのは簡単な事だと思う。 好きな人の為に、自分には一体何が出来るだろう? 自分を犠牲にしてまで、あなたを守りたいと思えるのか? 「答え」なんて出す前に、簡単に「好きな気持ち」は絶対に変わらないと思えた。 「絶対」と言えないなら、叶わない恋を続ける様な馬鹿な事はしない。 今だけの感情だと言われても、結果的に無意味な事でも、「生きる意味」と「生きた証」を残したいと思うから。 生まれ変わっても、同じようにあなたにもう一度…出逢いたいから。 この気持ちは変わらない。変えたくない、あなたの代わりなんて他にいないんだから。 あなたに出逢えただけで、僕は救われたんだよ? バカでしょう? でも、それは恋しているから。。34 (秀ちゃん流★A型★男性)【秀ちゃん流】
螺鈿迷宮 下 (角川文庫) / 海堂 尊 / 角川グループパブリッシング推定累積売上部数【23117部】の口コミ
ロジカルモンスター白鳥が大活躍!?皮膚科の医者として治療・診断をしてしまうのが恐ろしい。しかも、これまで口先の喧嘩で負けたことがないのに、コテンパンに負けてしまうのも新鮮。ただ、これまでの白鳥と少しキャラが違って感じてしまいました。話し口調ももっと強烈で自分勝手だったのに、少しまともな役人にみえた。そこが残念。これまでの一連のシリーズは、それぞれが別のストーリーなのに、どこかで絡み合っていたので、今回の話が今後どのようにつながっていくのか期待です。【カラッと爽快】
天馬君の人のよさもあって病院内部の謎が少しずつ改名されていきます。ここにきて白鳥の存在がとにかく面白いですね。この下巻は勢いもあって、息もつけないくらいの展開を見せてくれます。上巻がやや退屈なので、上下に分ける必要はなかったように思います。そして真実と天満君との繋がり。ここは読ませましたね。なかなかのものです。【mitsugi】
現実の医療業界の問題を内容に織り込む小説を書くこの著者は、ここでは「終末期医療」の問題を取り上げていますが、読者にただ単にその存在を認識させるだけでなく、その裏に潜む「闇」の根の深さを認識させられるような描かれ方をしています。 そのため、小説自体は上下通して比較的短時間で読み終わったものの、その「問題」の重さはしっかりと受けとめることができました。 また、ミステリーとしても、出だしから数々の「謎」を読者に提示し、「この先どうやって謎が明らかにされるんだろう」と読者を引き込む力がありましたし、結末で謎が明らかにされた時、それまでの中に伏線がバランスよく配置されていたことに気づかされました。 現実の医療業界の問題点を、主軸をぶれさせることなくミステリーと融合させている、その完成度が今までで一番高いと感じます。 また、キャラクターの面からみると、『チーム・バチスタの栄光』『ナイチンゲールの沈黙』で、田口・白鳥コンビのやりとりの面白さを楽しんだ方々にとっては、こちらはそのコンビのやりとりはなく、田口自体、ほとんど出てこないため、いささかの寂しさを覚えるかもしれません。 しかし、その2作で名前は出ていた「氷姫」がついにここで登場します。切れ者なのか、天然なのかわからないそのキャラクターは、田口、白鳥にはない不思議な存在感。一読の価値ありです。 【buono_buono】
適当に本を取って買ったら下巻でした。この薄さで上下巻に分けるのはないよ〜カドカワさん。下巻だけでも白鳥の面白さは味わえますし、秀逸な後書きでストーリーの補填はできたので普通に楽しめました。氷姫の活躍を見たい人は上巻から、3、4時間の暇つぶしをしたい人は下巻だけでも大丈夫です。【秋人】
オリジナルは、2007年11月30日リリース。海堂氏はいつも小説というメスで日本医療の患部はどこか、を白日の下に曝す。『ジーン・ワルツ』では産婦人科医がなぜ激減したかだけでなく、明治時代のまま変わらない法律の矛盾や、アンケートばかりとっている厚生労働省の逼迫した現実への無反応・無為無策さ、名ばかりの少子化対策といったあらゆるものの問題点を全て提示していた。『ジーン・ワルツ』が人間の『誕生』への問題提起であるとすると、本作は人間の『死』に対する問題提起として書かれている。そしてこの2つの小説は対となって構想されたのでは、と思える。 デビュー作の『チーム・バチスタ・・・』で既に死者へのMRI検査の重要性を説いているが、本作では医者とは切っても切れない『死』の問題と、現代医療にとって『死』とはどのような存在なのか、を読むものに気がつかせる。 そして頭を過ぎるのがマイケル・ムーアの『シッコ』だ。アメリカ医療の酷さはどことなく今の日本の医療の先の姿のように思えてならなかった。 ここに登場する桜宮病院の院長の言葉、『医学とは屍肉を喰らって生き永らえてきた、クソッタレの学問だ。お前にはそこから理解を始めてもらいたい。医学の底の底から、な』が、この作品を象徴している。厚生労働省の考える『死』、病院の受け止める『死』、自殺志願者の『死』、末期癌患者の『死』・・・どれも同じ『死』であるはずなのにこの作品では違って感じられる。それは各々の『生』が螺鈿のように様々に光り輝いているからなのかもしれない。圧倒的な読後感を残す傑作である。【voodootalk】
螺鈿迷宮 上 (角川文庫) / 海堂 尊 / 角川グループパブリッシング推定累積売上部数【25390部】の口コミ
病理専門医である海堂氏が小説を通じて、医療の実態を訴えている。本小説の中で書かれている終末期医療、死亡時医学検索といった儲からない医療は大学病院ではやりたがらず、地元のお妾病院に回しているという箇所は、おそらく現代医療の問題点であろう。小説を通じて、医療の実態を垣間見ることができる。物語としては、おなじみの「白鳥」が上巻から登場、バチスタ、ナイチンゲールでは名前しか登場していなかった「姫宮」も登場する。下巻はこれから読むので、上巻のコメントはこれまで。【ヒロゴン】
ジェネラルルージュで看護師見習いをした氷姫こと姫宮が登場。ミスドミノらしさを全開。一連のシリーズを読んでいるので、知っている人物が活躍(?)する様子は面白い。読んでいない人からすると、きっと怪しくもあり変な人たちと見えるのだろうな。バチスタシリーズの東城大学と同じ町の桜宮病院が今回の舞台。壮大な一連のシリーズ。ストーリーの盛り上がりはいまいちだけど、シリーズのつながりで☆4つ。【カラッと爽快】
終末期医療を手掛ける碧翠院桜宮病院。黒い噂が絶えないこの病院の闇に東城大学医学部の落ちこぼれ学生・天馬と、厚労省コンビ(白鳥・姫宮)が迫る。「でんでん虫」と呼ばれる謎めいた館に棲む妖しげな経営者一族。銀髪の院長、美人双子女医、そして・・・ゴシック小説の雰囲気を漂わせるミステリーである。主人公にして語り手の天馬の成長物語の側面も併せもつ。この物語、『バチスタ』のような痛快さを求めるかたにはおすすめしがたい。白鳥たちが出てくるのに、笑えない・・・(彼が出てくるとなれば、笑いを期待するではないか) 現役勤務医である著者がテーマ・作風の異なる作品をハイペースで執筆している仕事ぶりは認めるが・・・ 白鳥の存在感を活かすには、天馬くんの語りは物足りない。やはり田口(『バチスタ』シリーズで白鳥とペアを組む医師)の語りが一番しっくりくる。田口のフィルターを通してこそ、白鳥のおもしろさが活きてくるのだと思う。もっとも、このお話は白鳥のおかしさが主眼じゃないんですよ、と言われればそれはその通りなのだが。このようにわたし自身は語り手・天馬との相性がいまひとつだったが、院長の一言一言の重みは胸に響いた。また海堂氏による「桜宮サーガ」の一作品として読んでおいて悪くないと思う。【シロフォン】
もう手の施しようがない状態の人達が嬉々として働く終末医療先端施設. ここの描写を読みながら,生長らえさせてもらってるのか,生かされているのか良く分からない様な状態で息を引き取った自分の祖母を思い出し,可能であればこういった施設に入ってもらいたかったな,と思ったのは結局素人考え.何故元気に働いていた(あるいは働けた)という種明かしに至って,レビュータイトルの言葉にたどり着いた. 結局,ユートピアなんてフィクションの中にすら存在しなかった訳だが,それでも(法的には兎も角)これが悪い事なのかは私には判断できそうにもない.【理系の文系】
終末期医療について書かれている。 死に際の医療は儲からない。それを上手くビジネスにもなるように入院から火葬場までオールインワンとなる施設が物語の中に登場する。なかなか奇抜な設定だが、作者のこめたメッセージは深いのだろう。 死因と治療が適切だったことを確かめるために死亡時の解剖が必要である。めぐりめぐってそれが後の医療にとても重要なものなのだと語られる。 新たなキャラクターが多く登場するが、そのほとんどが初めて会う顔ではない。その中でも姫宮については、満を持しての登場となる。本作品では、彼女と白鳥とのやりとりが楽しい。読み物としても十分な手応えがある。【たかじん】
容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7) / 東野 圭吾 / 文藝春秋推定累積売上部数【382270部
先週順位
1位】の口コミ
以前から好きだった、ガリレオシリーズ。長編はどんなものかとたいそう期待して読み始めましたが、その期待を裏切らない素晴らしい出来でした。 前夫から逃れて高校生の娘と暮らす靖子の隣に住んでいた数学教師の石神。靖子たちの犯した殺人を、どのように隠避しようというのか。死体を隠すといえば、山奥まで行って穴を掘る、重石をつけて海へ沈める・・・。私が考えつくのはこんなところが関の山。 まさに、盲点を突くトリック。こんなこと、考えつく人がいるんだ〜と心底感心してしまいました。数学者の石神は頭がいいというよりも、雑念がないというか純粋な人間なんだと思います。この人がこれだけのトリックを組み立てられたのはIQの高さだけでなく、靖子に対する純粋な気持ち、自分の生きている意味を証明したいというような、強い気持ちが根底にあったからだと思うのです。数学者というのは、実はとてもロマンチストで、自然の中にある美しさを感じられるような心がないとだめなんだそうですね。以前読んだ藤原正彦さんのエッセイを思い出しました。そういった点からも、数学者の心理がよく描けていると思います。 この際、靖子の心理描写は薄くても問題ない気がします。石神の心理と湯川の謎解き、それに伴う苦悩はよく描けていると思うので、天才ならではの苦しみが天才ではない私にも手に取るようにわかりました。 ほんとに、これだけの頭脳を本来の研究に生かせないというのは湯川でなくても残念だと思うでしょう。映画の方もぜひ見てみたいですね。【かほひめ】
東野ファンの友人が貸してくれたので読んでみた。じつはこれを読む前にアマゾンのレビューをいくつか見てなんとなくトリックがわかってしまっていたので面白さが半減してしまっていたのが残念だ。あまりレビューは見ない方がいいかもしれない。全体的になかなかおもしろかったが、最後に中学生の娘が自殺未遂をおこしたのが興醒めした。どう考えてもあの展開で娘が自殺未遂をしようとするはずがない。作者はどうも子供の心理がわかっていないようだ。【がいくん】
タイトルがうまい。読み終わってそれを確認。純愛ものとしてはどうかなあ、と思うところもあるけれどミステリーとしてはとてもおもしろかったし数学のおもしろさも感じられた。【のりこ】
これまで読んだ東野さんの作品の中では1番でした。他の方のように的確な批評をすることはできませんが、読み終えた時に感じる満足感、充実感そしてすがすがしさはこれまで感じたことがないほど凄まじいものでした。トリック自体にも度肝を抜かれましたが、それだけでなく登場人物達による人間ドラマにも心を打たれました。【サイ】
ドラマも観ていないし、小説もこれが初めてです。石神のしたことは、他の方が述べているように、押し付けがましい、独りよがりなものだったと思います。美化しすぎな印象は否めませんが、しかし、そのツケはちゃんと巡っています。上手な落とし方だったと思います。その分、後読感はよくないです。トリックは素晴らしい。石神がシンプルな解法を好む描写がありましたが、自首するのが一番シンプルです(それではミステリーになりませんが)。次にシンプルなのが、石神が証人になって正当防衛にもっていく解法でしょうか。天才数学者ならば、物語のような複雑なトリックは使いません。トリックの複雑さは、石神の心の複雑さを描写している気がします(深読みでしょうか)。そういったことを考えると、容疑者xとは恋愛感情そのもののような気がしてきます。【threshold】
陽炎ノ辻—居眠り磐音 江戸双紙 (双葉文庫) / 佐伯 泰英 / 双葉社推定累積売上部数【119154部
先週順位
–位】の口コミ
書店を訪れると、必ず目にする佐伯泰英の著作群。平積みにされた本の山。一度は読んでみるべきと思っていました。本作品はNHKでもドラマ化されていることで有名な作品。といいつつ、ドラマは観ていないのですが、これほど売れているならと、手に取ったのが、この作品でした。・・・じつに面白い!ページを繰る手が止まらないほどに引き込まれるストーリー展開。ベストセラーとなるのもうなずけます。シリーズ既刊をすべて読んだ方のレビューが掲載されていますが、私も本作を読んだ直後、続編の「寒雷ノ坂」を購入してしまいました。【悶】
「おい、熊公。あそこの茶店で小さな双紙読んでるお侍を見てみな」「なんだい信吉」「さっきからすんげぇ目してじっとあの双紙を読んでるんだよ。なんかに魂を抜かれたみてぇだ。あら、いきなり笑い出したよ」「そんなにあの双紙がおもしれえのかね」「ああ、四半時(30分)もあの有様だ。おや、今度は・・・あれっあの侍、目が潤んでるじゃねぇか。泣いてんのか。泣いたり笑ったり忙しい侍だね」剣あり、恋あり、涙あり。読後気分爽快万事祝着。【読売の信吉】
磐音シリーズ既刊23冊全巻を読み終りました。結論として、面白さから言えば、これほど面白い小説を知りません。ほかの小説が読みたくなくなるほどです。これまで佐伯泰英さんの作品についてまるで知らなかったのですが、テレビで山本耕史と中越典子の連続ドラマを見て、主人公の磐音とおこんの大ファンになり、即刻、本を購入読み始めたら、面白くて途中でやめられません。たちまち、既刊23冊全部を読み終えてしまいました。あと、読む本がなく、しばらくぽかんとしてすごしました。そして作者が第23巻「万両の雪」のあとがきで、50冊くらいまでは書き続けるといっているので、続編が出るのを心待ちにしています。1700年代後半の江戸時代の地理や風俗、幕府・大名の官僚組織などもよく研究されていて、当時の江戸の名所、寺社、大名屋敷、奉行所の所在地やその様子、両替商など大商人の商いぶり、庶民の暮らしぶりや風俗が、そのまま映像として脳裏に浮かび、その時代の人になったような気分で物語が楽しめる、語彙や事柄についての作者の博識も驚くほどで、侍言葉や町人の話し方、その時代のしきたりなどずいぶん勉強になりました。そして、主人公の坂崎磐音の人物像がとても魅力的。当代一の青年剣客で、清廉潔白、正義の人、しかも、さわやかで、穏やかで、優しく、愛情深く、友情にもあつく、礼儀正しく、その上すぐれて賢明でもある。多くの人から頼りにされ、愛される。彼を取り巻く主要人物も魅力的な人が多く、その人物像、性格もきっちり描き分けられているので、主人公たちへの感情移入も容易にできました。【安】
娯楽モノの時代小説も、佐伯泰英さんの本を読むのも初めてで、テレビドラマの原作と言うだけで手にとって呼んでみたのですが、予想以上に面白くはまりました。江戸の風景だけでなく、国許のお家騒動も絡んで世界が広がり、言葉はもちろん古風ではありますが、気楽に読める現代的時代小説といっていいでしょう。ただ、あまりに強すぎる磐音に、彼がいなければ江戸の町も豊後関前も守れないのではないかと、要らぬ心配をしてしまいます(笑)。【kisshou】
居眠り剣法の使い手で、用心棒と鰻屋を掛け持ちするフリーター侍、という設定は面白いんですが、人物描写が、いくらエンタメ小説としても、弱すぎる。人によるとは思うけど、描写がきちっとしたものを求める向きには物足りないのではないでしょうか(同じエンタメであるミステリー小説では、結構そうした描写もきちっとする人がたくさんいるし、キャラがたっていることが多い)。【pp-tang】
龍の仁義、Dr.の流儀 (講談社X文庫—ホワイトハート) / 樹生 かなめ / 講談社推定累積売上部数【11077部】の口コミ
清和君もついに反抗期かしら?とわくわくしましたが、やっぱり手加減しちゃうんですね。だからこそ愛しいんですけれど。祐君の指令半分、清和君の男心半分。これからだんだん、氷川先生と対等になっていくのかも。最初から最後まで楽しくて読みながら顔がゆるんでしまいました。ばかな男達にがつんと一発食らわすことのできる氷川先生がかっこいいです。リキ君に一服盛る算段が極悪でステキ。【由木】
「氷川を抱き潰せ」 病床の祐から、真鍋組に指示が出たらしい。自宅に帰りにくい氷川の元に、結婚から逃げ出した晴信が転がり込み、桐島組の総本部に匿うことになりますが、 「俺も姐さんの舎弟です」 晴信は桐島と意気投合。桐島組の経営に腕を振るう晴信は「アニキ」と慕われ、すっかり桐島の虎に。 氷川が知ってしまった木村先生の過去と、リキと晴信兄弟の贖罪の重さがこの巻のテーマです。( けっして、アッチじゃないったらっ) みんな幸せになって欲しい!【なな】
ナイチンゲールの沈黙(下) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ) / 海堂尊 / 宝島社推定累積売上部数【127884部】の口コミ
チーム・バチスタの栄光に続き、ロジカルモンスター白鳥登場。物語を事件解決に導く…が、推理小説と考えると事件解決の方法は余りにも現実離れしています。境界線を教えるべき大人が、易々と境界線をまたいでみせたことが、事件を複雑にさせたという総括に関しては同感です。【ヒロゴン】
歌声が脳波に与える影響をミステリー化させたところに無理がある。これは小児科の子どもたちの物語としてまとめた方が無難であったように思う。医療ミステリーにこだわる必要もなかったのではないかと感じます。特にこの物語に白鳥さんはいなくてもいいし。オレンジ病棟物語として描いたほうが感動があってよかったかもしれない。無理なミステリーは面白くない。【mitsugi】
白鳥が登場して少し面白くなったが、盛り上がりに欠けた。ミステリー小説だと思い読み進めたが、なんだか納得していないままにフィナーレまでいってしまった。【カラッと爽快】
『チーム・バチスタの栄光』に続く田口・白鳥シリーズの第二弾。『チーム・バチスタ〜』同様、白鳥はこの下巻に入ってからの登場。ここではさらに、白鳥の学生時代の腐れ縁であり警察庁から桜宮署に出向中の警視正・加納が、瑞人の父の殺人事件を捜査する過程で絡んできます。「田口を一方的に振り回す白鳥」のみならず、「そんな白鳥に対し、全くひるむことなく論戦しあう天敵:加納」、そして名コンビだかなんだかわからない上司と部下である加納と玉村のコンビなど、キャラクター同士のやりとりはなかなか楽しめます。しかし、犯人が早い段階で想像がついてしまう上に、犯人を追い詰める過程も、特別に惹きつける要素が何もありませんでした。また、ミステリーの他、SFやら少しだけラブストーリーやら、いろいろな要素を盛りこんだようですが、詰め込みすぎたゆえ、どれも表面的な描写にとどまり、中途半端に終わってしまった印象があります。単に「暇つぶしに読む軽い小説」や、「ストーリーよりもキャラの面白さのある小説」を求めているならそれなりの価値はありますが、「本を読むからには深みのある読み応えのある内容を」という方にはあまりオススメできません。【buono_buono】
前作『バチスタ』がどんどん読み進めることが出来たのに対して本作品は読み終わるまで時間がかかりました(作品の長さは同じぐらいだと思いますが)。白鳥・田口の掛合いは前作同様面白く読ませていただきましたがそれ以外の登場人物輪郭がぼやけていたような気がします。後半に向けて現実ではなかなか実体を想像しづらい現象が多くなりややこじ付け的な展開になってしまったと思います。次回作に期待したいです。【Mini0169】
ナイチンゲールの沈黙(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ) / 海堂尊 / 宝島社推定累積売上部数【141800部】の口コミ
「ナイチンゲールの沈黙」は確かにSFチックな領域もある作品です。ただ、この作品は「ジェネラルルージュの凱旋」と同時進行であるので、両方、読むべきでしょう。病院内での事件があちらこちらで同時におきている。医療現場の現実を感じさせてくれる作品です。随所に医療行政への問題提起もあります。海棠作品はサスペンスに重きをおいて読むべきではないと思います。白鳥調査官や田口医師の掛け合いなどを楽しむべきでしょう。病理医の先生がこれだけの文章を書いている。私にはこのことのほうが驚きでした。【アンクルのソロ】
お話もいまひとつ入り込めなかったけど、一番の不満は「未消化感」ですね。『バチスタ』の後がこれ?と正直がっかりでした。思わせぶりな情報が小出しにされるも、伏線かと思えばそうではなく、ほったらかし。田口・白鳥に加え、ジェネラル速水、トンネル魔人島津、デジタル・ハウンドドッグ加納ら、クセのある人物が続々登場するが、中途半端でかえって煩わしい。いや〜な感じがして解説を見れば、「『桜宮サーガ』ともいえる社会を作るうえでこの作品はとても大切な位置を占めている」と書かれており、やっぱりね〜と。シリーズのための顔見せってことじゃない、独立した作品としてはどうなの?と不満は拭えませんでした。これは読まなくてもよかったかなあと。しかし! 1月8日発売の文庫『ジェネラル・ルージュの凱旋』を読み始め、『ナイチンゲール』を読み通すことは必要だったんだ!と報われた思いがしました。『ジェネラル』の前に本作を読んでおかれることをおすすめします!(以下、その理由。タネ明かしになってしまうかもしれないので一応お断りしておきます)『ナイチンゲール』と時間軸・人物を共有するまったく別の物語が走っていたのです。それが『ジェネラル』。まだ読んでいる途中ですが、この2冊はsideA・sideBというか。『ナイチンゲール』はメロドラマ調でSF的な話だけに、『ジェネラル』の緊迫感・深謀遠慮がめぐらされていそうなあやしげな感じ・・・作風の違いが一層際立って、期待感をそそります。だからといって、『ナイチンゲール』単品の評価は変わりませんが、『ジェネラル』を読む前にこちらを読んでください! それだけは力強くおすすめしたいと思います。【シロフォン】
チーム・バチスタの栄光の続編本題の「ナイチンゲール」は、歌姫の看護士「浜田小夜」のこと。今回の事件は、殺人事件。上巻では殺人事件が発生し、警察が登場するまで。またしても不定愁訴外来の田口講師が事件に巻き込まれるが、その序章である。病院と警察の上下関係や組織の複雑さ、歌声が脳に与える影響などを読み取りながら、上巻をお楽しみください。【ヒロゴン】
前作「チームバチスタの栄光」は、白鳥が登場するまでの緊張感は素晴らしかったものの、白鳥が登場して(文庫本でいえば下巻)からの展開は興ざめした。白鳥をここまでおかしげなキャラクターにする必要があったのかという違和感がどうにも拭いきれなかったからだ。僕自身は、こういう小説は、著者が作品で訴えたいことはあるにせよ、細かい理屈を抜きにして楽しめればいいという考えなのだが、それでも白鳥のキャラクターは小説の緊張感を壊しているとしか思えなかった。だから、この「ナイチンゲールの沈黙」を購入するのもしばらく躊躇っていたのだが、結局、前作の序盤の緊張感を期待して購入した。で、読み終わった感想は、前作と比較するとすっかり影が薄くなってしまったものの、やっぱり白鳥はいない方がいいんじゃないかというものだった。また、事件を解く鍵となる「歌声」に関しても、現実にあり得ることなのか、またそれを解明することが可能なのかは、まったくわからないが、少なくともこの小説にはあっていないし、歌声ではなく他の誰にでも現実的だと思える要素(鍵)で小説を構成した方がよかったのでは、と感じた。正直、現実離れした存在である「白鳥」と、現実にはあり得ることかもしれないがSF的ともいえる「歌声の効果」を事件解決の鍵とするこの作品をすんなりと楽しむことができなかった。大ハズレではないけど、現在刊行されている続編を“すぐに”手に取ってみようと気にはならなかった。【TaroTaro】
主になるのは小児科病棟にいる子どもたち。目を取らなくてはならない子どもの心のケアを田口先生が引き受けることになる。これだけでいいのではないかと思った。MRIの先生のことをガンガントンネル魔人と表現したり、子どもならではの雰囲気が充分伝わってくる。だが、看護師の小夜チャンの歌で脳波がどうのこうの、冴子と城崎の存在が必要だったのか?しかもここに白鳥を持ってくる必要性も感じない。文脈がバラバラだ。これがこの人の実力なのかもしれない。【mitsugi】
ロウきゅーぶ! (電撃文庫) / 蒼山 サグ / アスキーメディアワークス推定累積売上部数【10060部】の口コミ
受賞作だという理由だけで何も考えずに注文し、届いた本の表紙を見てちょっと引く。アオリにはロリコン、小学生女子などと怪しい文字が並んでいて、失敗したかなと思ったのですが、とりあえず読んでみる。…おお、中身は全然違うじゃん! 長谷川昴は高校一年生。中学時代は県選抜のバスケットボール選手であり、高校の部活でも期待の新人、だったのだが、入部直後にバスケ部部長が顧問の娘(11)と恋愛スキャンダルを起こし、激怒した顧問により部活は一年間の活動停止処分となる。一転、やる気のない高校生に転落してしまう昴だが、叔母である篁美星の策略にはまり、美星が顧問を務める女子バスケ部の臨時コーチを一週間限定で引き受けることになる。ただし、美星の勤務するのは小学校。部長の件があるので昴も何かやらかしてしまうのか、と思うがそうではない。非常に真面目なスポーツものに変わるのである。 練習場所を奪おうとする男バスとの試合をすることになった女バスの面々。経験者は湊智花ただ一人。勝負は二週間後。だが、勝負にならないというなかれ。個性を生かし、ピンポイントで技術を磨き、心理戦まで駆使して何とか自分たちの居場所を守ろうと必死になって闘うのである。その過程で自分のやる気を取り戻していく昴の姿といい、正統派スポーツものという気がする。【くまくま】
表紙とあらすじばっかり話題になっているが違うぞ。これはスポーツ推薦で入学したにも関わらず、バスケ部を潰されてしまった昴が女子小学生の臨時コーチを引き受けると言う形でバスケへの情熱を再認識する話。間違いなく、主役は彼だ。女子小学生ではない。バスケに天才的な才能を持つ智花や長身でバスケには必須の条件を持つ愛莉を主人公である昴が「惜しいな」(変な意味ではない)と思いつつ、自分はバスケに関わらないと意地を張ってしまう。しかし、智花を初めとする少女達の居場所への想いが斜めに構えていた心を揺り動かす。これを熱いと言わずしてなんと言うか。臨時コーチと対戦相手(当然、少年)との言葉の応酬。……当然、女子小学生達は相手にしてないんだけどね。ロリの包装が巻かれているがスポーツ物が好きな人に奨められる。私が知らないだけかもしれないが、賞を取ったスポーツ物って久しぶりな気がする。【どらっへ】
…正直にいいます。 ジャケ買いです。 というのも、表紙みたら一度見た人はピンとくると思うんですが、イラストはてぃんくる氏で、中味もサービス満載です。 話としては、中学時代にバスケで全国のベストメンバーに選ばれた主人公が、高校のバスケ部に入るなり部長のロリコン騒動で1年間の謹慎に。 「もうバスケは冷めた」と、放り出そうとしますが、その時に小学校教師の親戚のみほ姉に女バスのコーチをお願いされて、一度は断るものの… 冒頭はこんな感じです。 まあ、とりあえず言えることは、 「真性のロリは黙って即買い。」 スポ根ものとして買おうと思う人は迷ったほうがいいです。 自分としては続刊を希望して止まないんですけど…・w・【りとえるしあ】
『軽度のロリコンから、もう助かる見込みのない重度のロリコンまで、ニヤニヤできること間違いナシ!』とのPOPにつられホイホイ買ってしまった。話の大半はバスケの対決の話でメインヒロインは口調が小学生とは思えない。しっかりした高校生って感じ・・・ロリでニヤニヤして買おうとしてる人は考えた方がいい【MN】
身代わり伯爵の求婚 (角川ビーンズ文庫) / 清家 未森 / 角川グループパブリッシング推定累積売上部数【17765部】の口コミ
やっぱりミレーユを手放すことなんてできない!自分の本当の気持ちに気付いたリヒャルトは自分の本当の思いをミレーユに伝えます。そして、「…俺を選んでください。ミレーユ」ズバキューン!!ぐはぁっ(吐血)こんなこと言われたら世の女性は皆うなずくよ!うなずいちゃうよ!!さあさあ、どうするミレーユ?そしてリヒャルトは…!?気になる人は読んでみて!絶対損はありませんV!!【わたげ】
いつもながらテンポよく読めるお話に、ギャグとシリアスの絶妙な取り合わせです!!7作目ですが、全然ダレてきません。むしろ面白くなってくるのがすごい。作者さんはどんどん読者の心をつかむのが上手くなってきていますね・・・結構暗くシリアスな展開のはずなのに読んでて噴き出してしまうのはやっぱりミレーユと愉快な仲間たちのおかげでしょうか?前作ではほとんど出番がなく・・・最後で糖分増量した感じのリヒャルトとミレーユですが、今回は二人のシーンはもうすべて甘かったです!!前々から思ってましたが、リヒャルトは絶対開き直ったら攻め込むタイプです!!まだ戸惑ってるミレーユがとってもかわいくて面白かったです。とある侍女さん曰く「落ち込もうと思えばどこまでも落ち込めるリヒャルト」と「有無を言わさぬ明るさで閉ざされた心を開けるミレーユ」はまさにお似合いです。シアラン編の軸である大公派との対決も、色々な人の思惑(腹黒さ)がだんだん浮き彫りになってきて…思わずえっそうなの!! 的なもう一つの『秘密』も・・・とにかく8作目がとても気になる展開で終わりました。早く続きが読みたいです。【その他大勢市民】
何だかミレーユやリヒャルトやロジオンや、師団の人たち皆に功労賞をあげたくなっちゃう展開でした!!とても面白いのに、間者や敵の思惑について推理したりする部分は緊張感があります。「え?この人ひょっとして敵なの?」とか何度も驚いたりしてしまいました。1巻の駆け引きから比べると、うーんとっても面白い!それでも引きは十分で・・・こう来るか!と(笑)リヒャルトは、思い悩みつつも、天然魔性ぶりを発揮してきました。苦悩する男前が覚悟を決めた、という感じでとっても格好良かったです。ミレーユの「守ってあげたい」発言もとても胸に響きました。ミレーユが男前過ぎて素敵です・・・!まだまだ波乱が続きそうですけど、守り守られ合って前進していく二人を応援したいですね!続きも気になる所で締められているので、今から楽しみです。【りあぬ】
リヒャルトがやってくれました。なるほど、こんなふうに口説くのか……。甘過ぎてにやにやが止まらないセリフばかりです。 ミレーユのほうはというと、まだちょっと自覚しきれてないのかな。いいところまで来てるんだけれども。リヒャルトにキスされたことで混乱しているのが面白かった。的外れな悩み方には思わず笑ってしまうし、周囲の反応も楽しい。相変わらずコメディ部分がしっかりあって魅力的です。 団長はほんとにいいキャラですね。ストーリーにもこれからますます絡んできそう。 大公はなんだかとても怪しい感じ。ものすごく冷たい人のようなので、何をやらかすか分からないというか。 今後、二人の仲が引き裂かれたりなんかしそうです。 安定した面白さがあるので、買って損のないシリーズです。【rutttomy1101Q】
今回は、前回で騎士団に潜入したことを生かして、リヒャルトのためにミレーユが奮闘するお話です。リヒャルトにキスされてからのミレーユの行動が、ギャグだったりシリアスだったりと色々な面を見せながら、とても惹きつけられました。何となく、コメディ的な魅力がアップしているように思いました。今まで微笑ましかったり、面白いなと思うシーンはあったのですが、今回はミレーユの乙女心から来る復讐心や動揺するあまりの奇声の嵐に思い切り笑ってしまいました。とても楽しかったです。それでもコメディを取るばかりでなく、シリアスシーンもあって魅力的です。物語としても見所は、敵味方の腹の探り合いとミレーユの行動力、そして恋の進展かと思います。相手を思うがゆえにミレーユは健気&意地に、リヒャルトはヘタレ&頑固モードでしたが二人の距離が縮まりつつあります。離れ離れになってしまって、でもそれ故にお互いをあきらめきれないと気づいて、そこに持って来て二人の自覚・無自覚入り混じる愛情表現の言葉の応酬。さらに今回は、リヒャルトの方から一歩踏み出します。あの場面、大好きです。けれどその分、周囲では不穏分子も見え隠れして、恋の行方とともに気になります。個人的にはミレーユとリヒャルトはもちろんですが、団長&副長・ラウールの魅力も溢れていたように思いました。【アリア】